チャンピックス

ニコレットや禁煙パッチを使っても禁煙できず、時間とお金をいたずらに浪費してしまった.....「次こそは絶対に禁煙を成功させたい!」

こんな期待にしっかり応えてくれる、まったく新しいタイプの禁煙治療薬がある。
それが、2008年に日本でも使用可能となった「チャンピックス」だ。

チャンピックスは、ニコチンガムやパッチなどと違い、成分としてニコチンを含まない画期的な経口薬。脳に直接働きかけ、禁煙中の最大の難関である「離脱症状」を和らげるばかりか、美味しいハズのタバコを「マズい…」と思わせてくれる優れモノである。

2007年に、「薬のノーベル賞」と言われるガリアン賞を受賞したことからも、その優れた治療効果がうかがい知れる。他の禁煙治療薬と一線を画しているのは、何と言ってもその実績。つまり、禁煙成功率の高さである。

ガムやパッチなどに多い、微量のニコチンで徐々に体を慣らしていく「ニコチン代替法」は、実は結構意思の強さを必要とするもの。成功率も10~20%台と意外に低い。また、自分の意思だけで禁煙するという方法は論外であり、成功率は5%以下とも言われている。

一方チャンピックスの成功率は、驚きの44%。
今まで何を試しても続かなかった人も、この数字には期待できるのではないだろうか?

では、チャンピックスがなぜそこまで高い成功率を叩き出すのか?
チャンピックスの最大の特徴は「頑張らなくても誰でもやめられる」、斬新な2つの作用にある。

チャンピックスには、特徴的な2つの作用機序がある。
それが「刺激作用(作動薬作用)」と「拮抗作用」だ。

タバコがやめられなくなり、ついには生理的依存症になってしまう原因は、タバコの成分であるニコチンにある。ニコチンは脳内のニコチン受容体と結びつき、ドーパミンという快楽物質を放出する。この快感のせいで、人は繰り返しニコチンを摂取したくなる衝動にかられる。

チャンピックスの主成分は、ニコチンの代わりにニコチン受容体と結合し、ごく少量のドーパミンを放出する。これが「刺激作用」と呼ばれるもので、脳に軽度の快感を与えることによって、禁煙中の辛い離脱症状…イライラ、焦燥感、不安感などを感じさせにくくする。

要するに「刺激作用」とは、タバコの我慢をラクにさせる作用。
多くの禁煙挑戦者が屈してしまう大きな壁を、チャンピックスは軽々と乗り越えさせてくれる。

では「拮抗作用」とはどういうものなのだろうか?

喫煙によって脳内に取り込まれたニコチンは、通常数時間はニコチン受容体と結合し続け、ドーパミンの放出を続ける。しかし、チャンピックスを服用することにより、ニコチンより先にチャンピックスがニコチン受容体と結合してしまう。

結果、あなたが万一タバコを吸ってしまいニコチンを摂取したとしても、すでにニコチン受容体は満室状態。ニコチンは身の置き所が無い状態になる。新たなドーパミン放出も行われないため、喫煙による「快感」が消失するのだ。

タバコを吸っても快感が感じられない…要するに「タバコがマズく」感じられる。
この時の感覚を、経験者は「旨味も爽快感もゼロ」「今までこんなマズい物を吸っていたのか?」などと表現する。

チャンピックスは、服用開始後1週間はタバコを吸っても構わない。これは8日目からの完全禁煙に向けての助走期間であり、大抵の人は最初の1週間の間にタバコを「マズく」感じ始めるので、誰に強制されなくても自然に本数は減っていく。

チャンピックスの大きな魅力の1つは「ただ飲むだけ」という錠剤ならではのシンプルさだろう。毎日決められた量を服用し、12週で一旦治療は完結する。この長すぎず、短すぎずの程よいスケジュールも、高い成功率の秘訣といえるだろう。

しかも前述したとおり、最初の1週間は喫煙して構わないので、少しずつ無理なくゴールに近づけるのである。12週間の服用プログラムは以下の通りだ。

・1~3日目:0.5mg錠剤を1日1回(食後であれば朝昼晩いつでもOK)
・4~7日目:0.5mg錠剤を1日2回(朝・夕食後)
・8日目以降(禁煙スタート):1.0mg錠剤を1日2回(朝・夕食後)

1日1回、または2回でOKというところもありがたい。日中忙しく働いている人にとっては、昼の飲み忘れを気にしなくてよいというところも継続しやすい点である。

それでもまだ自信がない…8日目以降もタバコを吸いたくなったら…?

そういう人も安心していただきたい。チャンピックスは8日目から禁煙することを前提に服用するわけだが、どうしても吸いたくなったら吸っても構わないのである。8日目にはすでにチャンピックスの効果が浸透し始めており、吸ったとたんタバコのマズさに悶絶するはずである。

チャンピックスは、あなたの意思の強さ・弱さに関係なくタバコの醍醐味を奪ってしまう。禁煙で挫折経験がある人にこそ、ぜひ試して欲しい薬である。